第11回全国棚田(千枚田)サミット共同宣言

 急峻な山肌や丘陵地に拓かれた棚田は、先人の知恵と努力によって生まれました。先人の汗と涙が染み込んだこの地を守り続ける生産者の強い決意とたゆまぬ努力によって、今年も棚田は黄金色に染まり、たわわに実った稲穂を育む母なる農地となりました。

 その陰には、幾度かの土石流災害などに遭いながらも、営々と復旧に努めた先人の苦労と生産者の努力があることを忘れてはなりません。

 この棚田が見せる曲線美と色彩は、四季折々の景観の美しさ、日本の原風景として長い間人々の心に潤いと安らぎを与えるオアシスとなっています。
 一方、棚田を守ろうとする農山村にも生産効率重視の風潮に加え、高齢化の進行や担い手の減少などにより荒廃地化が進み、棚田を取りまく状況は、ますます厳しさを増しております。
 しかし、こうして先人から受け継がれてきた棚田そのものの持つ役割が、近年大いに見直されてきました。
農業生産活動のみでなく、国土の保全、水源かん養、良好な景観形成など多面的な機能への期待に加え、今日では、保全活動の促進のための都市住民との交流も始まり、新たな利活用に向けた取組みがなされています。

 山(緑)と水、棚田とともに活きる「四谷の千枚田」に、棚田への熱い思いを抱いて参集した私たちは、中山間地域のさらなる維持活性化を目指し、次のことを確認し積極的に推進することを宣言します。


1 私たちは、中山間地域等直接支払制度のより良い確立を望み、知恵を出し合い、自ら新たな行動を起こし幅広い保全活動を展開します。

1 私たちは、棚田をはじめとする地域資源を積極的に活用し、都市と農山村の交流や自然に接する体験を通じ、グリーンツーリズムなどのあらゆる方法で地域活性化を目指します。

1 私たちは、先人の知恵と努力と多くの人々の手によって守られてきた棚田、文化的景観の地であり国民の共有財産である棚田を後世に伝えていくため、より多くの人々の理解と支援を得られるように幅広い活動を展開します。

1 私たちは、棚田や山林が持つ水源のかん養、良好な景観形成などの多面的な機能を増幅させ、人々の心に潤いと安らぎを与えるオアシスとなるよう、緑と水を守り地球環境にやさしい農山村社会を維持します。

1 私たちは、より多くの人々に棚田保全のネットワークを広げ、棚田と都市が共生・交流する、農山村社会を実現するため努力します。


平成17年9月3日
第11回全国棚田(千枚田)サミット



最終更新:2015/05/08