第13回全国棚田(千枚田)サミット共同宣言

 今年も私たちの棚田では、緑色の稲穂が少しずつ色づき、収穫の秋が近いことを教えてくれています。
 クリック一つで大金が手に入るこの時代にあって、急峻な山肌に沿った小さな無数の田を耕し、想像も出来ないほどの労力をかけ、棚田をいつまでも守り続けることは、この地に住み続ける人々のたゆまぬ努力と、それを支える多くの人々の励ましと協力無くしては成しえません。
 「耕して天に至る」と形容される棚田は、その地域の自然と風土から生まれ、こうした先人の努力と数百年、数千年の歴史を誇るがゆえに、悠久の美を作り出し、長い間人々の心のふるさととして、潤いとやすらぎをもたらしてくれるのではないでしょうか。
 一方、生産効率重視の風潮や高齢化、担い手の減少などにより荒廃地化が進み、、棚田を取りまく状況はますます厳しさを増しております。
 棚田は「水のピラミッド」ともいわれ、山から流れ出る水を蓄えゆっくりと地下にしみ込ませ、地すべりを防ぎ、畦や土の水路を自由に行き交うカエルなど多くの生物が住み続ける場として、まさに私達生きとし生ける者はもとよりいのちと暮らしを支える「みなもと」になっています。
 こうした棚田の機能は、国土・環境の保全及び災害の防止に大きく貢献するばかりでなく、今やふるさとを代表する風景の代名詞ともなり、スローライフを求める観光のあり方が多様化する中、都市と農村の様々な交流の場として新たな役割が期待されるようになりました。
 先代から受け継がれてきたこの棚田を、いつまでも絶えることなく次の世代へ繋いでいくため、熱い思いを胸に八溝山麓を仰ぎ見、清流那珂川を臨む「国見」と「入郷」の棚田に参集した私達は、中山間地域のさらなる活性化を目指し、積極的に推進していくことをここに宣言します。

1.私たちは、中山間地域等直接支払制度の継続はもとより、農地・水・環境保全向上対策交付金など幅広く制度を利用しながら、自ら新たな行動を起こし保全活動を展開します。

1.私たちは、美しいふるさとの原風景と、生態系の保持などの多面的な機能を増幅させ、人々の心に潤いと安らぎを与えるオアシスとなるよう、農地と水を守り地球環境にやさしい農山村社会を目指します。
L私たちは、日本人の食糧自給を支え、安心・安全で良質な米を生産する棚田を守り、消費者と生産者が協力して地産地消や食育の活動に取り組みます。

1.私たちは、棚田をはじめとする地域資源を積極的に活用し、オーナー制やボランティア活動など、都市と農山村の交流や自然に接する体験をとおして、地域の活性化を目指します。

1.私たちは、鳥獣害対策や集落営農など、中山間地域が抱える共通課題について、広域的な取り組みを含め積極的に推進します。


平成19年8月25日
第13回全国棚田(千枚田)サミット



最終更新:2015/05/08