第14回全国棚田(千枚田)サミット共同宣言

 棚田の風景は、私たちが自然と共生する中で育んできた日本の原風景です。  先人の知恵と技術により築かれ、今日まで守り伝えられてきた地域の宝である棚田を、次の世代に引き継いで行くために、農業者だけでなく、地元住民やいろんな活動を通し、支えとなっている都市部住民を含め、棚田での米作りや、なりわいとしての活かし方、近年盛んになってきている体験受け入れ活動のほか、温暖化をはじめとする環境問題、景観保全などの多面的機能に至るまで、棚田のいろんな未来について大いに語り合おうという願いで、長崎市・雲仙市において、第14回全国棚田(千枚田)サミットを開催いたしました。
 棚田の見せる曲線美や四季折々の美しさは、長い間、人々の心に潤いと安らぎを与えてきましたが、一万では、高齢化の進行や担い手不足により、荒廃農地は増加の一途をたどり、棚田を取り巻く環境は、益々厳しさを増しております。  しかし、厳しい現実の中でも、農業に魅力を感じ、農村での生活に憧れを抱く国民も増えてきており、更には昨今の食に関する諸問題により、食の安全性の観点から、食料生産の場として、日本農業のこれからが、食料自給率39%という言葉とともに報道される機会が増えてきております。
 農業は多様な産業であり、その多様性をいかに活かし、生活を豊かにしていくか、食料を生産するためだけの農業・農村ではなく、その魅力をどのように活かしていくか、しっかり語り合い、明るく・元気な棚田の未来に向け、次のことを確認し、共同宣言といたします。

1.私たちは、棚田が米を作るためだけではなく、多様な生物の生息場所になるなど自然環境の保全に大きく貢献していることに着目し、棚田とふれあうことによる環境教育や食育を実践し、棚田を活用した教育を推進します。

1.私たちは、農業生産活動を継続することで、良好な景観を形成し、その地域の文化を伝承してきたことにより培われた、様々な技術や知恵を地域内だけでなく、都市部住民にも伝えることにより、交流を活かした保全活動を目指します。

1.私たちは、安全・安心でおいしいお米を生産することはもとより、農業の多様性を活かした産業としての農業の自立を目指し、地域の宝である棚田を次の世代に引き継いでいくため、様々な活動を展開します。

1.私たちは、今、求められている“人間再生の場”としての農山村地域において育まれてきた地域のコミュニティーの継続を、棚田を通じたより良いネットワークの形成と強化により目指します。

1.私たちは、中山間地域等直接支払制度の継続及び、農地・水・環境保全向上対策交付金などの制度を活用し、中山間地域が抱える課題についてともに語り合い、地域内での連携を強化し、様々な保全活動に取り組みます。


平成20年10月18日
第14回全国棚田(千枚田)サミット



最終更新:2015/05/08