第16回全国棚田(千枚田)サミット共同宣言

 先人が孫子のことを思い営々と耕し、一枚一枚築き上げた棚田は、生産の場のみならず、 美しい景観と恵み豊かな自然を有しています。棚田は地域の歴史が刻まれたかけがえのな い日本の財産であり、それを後世へ引き継いでいくことは、今を生きる私たちの使命です。
 しかし、農業者の高齢化や中山間地域の過疎化など棚田を取り巻く現実は厳しく、地域 の不断の努力だけでは、維持・保全することは大変困難な状況となっています。
 ここ、松崎町石部の棚田は、一度原野と化したものを多くの地域住民の手で復田し、農 作業を通じた都市住民との交流や、大学や企業等との協働による保全活動により輝きを甦 らせたものです。
 この棚田を持続的に守り育て、将来の世代へ引き継いでいくため、棚田保全活動の意義 や必要性を全国の人々と共有し展開すべく、今回、静岡県松崎町に関係者が集い、第16回 全国棚田(千枚田)サミットを開催いたしました。
 石部の棚田(石部赤根田村「百笑の里」)に込められた、棚田に携わる全ての人の笑顔と 賑わいの声が溢れる地域が全国各地で創りだされることを願い、次のことを確認し、共同 宣言といたします。

一、私たちは、棚田に思いを寄せる様々な入々との協働により、新しい時代の「結い」を 築き、新たな棚田の担い手の育成を図るとともに、持続的な棚田保全活動に向けた体制 を創造します。

一、私たちは、棚田や森林が持つ豊かな生態系や国土保全、水資源かん養などの多面的機 能を再認識し、啓発活動に努め、その機能を永続的に保持できるよう全力を尽くします。

一、私たちは、棚田が米の生産のみならず、生きものを育む命の源であることを再認識し、 未来を担う子供たちに棚田での学習機会を通して、環境適応力や自立心などの「生きる 力」を養うことができるよう、棚田を教育、体験活動の場として積極的に活用していき ます。

一、私たちは、農業関係者だけではなく、商工・観光業などの異業種の人々が相互に連携 して、棚田を含む中山間地域の持つ無限の可能性を引き出し、新たな地域産業を創造す ることで、地域の活性化を図ります。

一、私たちは、棚田の保全や棚田の持つ多面的機能の維持、発揮のため、中山間地域等直 接支払制度や農地・水・環境保全向上対策交付金制度、戸別所得補償制度などを有効活 用しながら、棚田での営農の維持、地域内での連携を強化し、より良き地域活動に取り 組みます。


平成22年10月23日
第16回全国棚田(千枚田)サミット



最終更新:2015/05/08