第17回全国棚田(千枚田)サミット共同宣言

 先人が血と汗と涙で営々と耕し、一枚一枚築き上げてきた棚田は、日本の稲作文化の中で形成されてきた地域の遺産であり、そこには地域の歴史・文化・伝統が深く刻まれ引き継がれています。
 棚田に立つと、山々から湧き出る清水は一杯に満ち、分水嶺から吹き下ろす風は水面を揺らし、やがて大地の恵みを私達に与えてくれます。
 この貴重な地域の遺産を後世に引き継いでいくことは、今を生きている私達に課せられた使命であり、責務であります。
 しかし、棚田を取り巻く現状は厳しく、この地域の遺産も、そこに住む人々の少子・高齢化と過疎の進展により、私達の不断の努力だけでは、維持、保全することは非常に困難な状況となっています。
 また、東日本大震災による未曾有の地震・津波・原子力発電所事故に伴う放射能被害の現実は、これまでの生活様式や社会の仕組みに対して一度立ち止まって、持続可能な再生エネルギーなどを考える機会を与えてくれています。
 ここ上勝町は、「持続可能な地域社会」をつくる大きな目標を掲げ、ゼロ・ウェイスト政策(無駄を無くす)を日本で最初に宣言し推進しています。
 持続可能な地域社会の基盤は、持続可能な農業の推進であり、棚田を持続的に守り育て、将来に引き継ぐことができるよう、第17回全国棚田(千枚田)サミットを環境の町上勝町で開催いたしました。
 ここに、全国の棚田に携わる皆様とともに次のことを再確認し、共同宣言といたします。

一. 私達は、棚田の食糧生産・国土保全・水源涵養・洪水調節・文化的景観などの多面的機能の維持保全を図り、後世に継承していきます。

二. 私達は、持続可能な地域社会をつくるために、棚田の担い手を確保、育成するとともに、先人が営々と築き上げてきた棚田の保全に努めます。

三. 私達は、地域の再生を図るため、農林水産業をはじめ、異業種の人々と協働し、地域の資源を活かした産業により、都市との交流を深め、相互に理解、協力し合い、活性化を目指します。

四. 私達は、生物多様性を再認識し、他の動植物との共生を図るとともに、環境学習や体験学習などの場として、棚田を積極的に活用していきます。

五. 私達は、棚田の多面的機能の維持、発揮のため、中山間地域等直接支払制度や農地・水保全管理支払交付金制度、農業者戸別所得補償制度などを有効活用し、集落の再生を目指します。


平成23年10月29日
第17回全国棚田(千枚田)サミット



最終更新:2015/05/08