第18回全国棚田(千枚田)サミット共同宣言

 棚田が存在する中山間地域では、古くから主食の米を増産するために急峻な山野を開墾し、
 水路を開削して棚田を作り上げてきました。
 この棚田に、永年に亘って幾重にも様々な人々の手が加わり続けた結果、それぞれの地域で特有の景観が醸成されてきました。
 また、棚田を潤している水は、湧き水や山間から流れ出る河川の水を利用してきた結果、清冽な水で育まれた多様な生物が数多く生息しており、地域の豊かな環境を保持しています。
 これらが今日、農村景観として評価され、全国的に棚田保全の意識が高まっています。しかしながら、棚田をかかえる多くの中山間地域では、農林業の不振によって過疎化と農業経営者の高齢化が進み、加えて、耕作放棄地の拡大や鳥獣害の増加など、地域の不断の努力だけでは、解決できない厳しい状況となっています。
 今回、全国からお越し頂いた方々と共に、我が国の農業を象徴する棚田が有する多面的な機能を継承し、次世代の子どもたちへと引き継ぐ端緒とするため、併せて、中山間地の発展と我が国の農業振興へと繋げることを目的として、第18回全国棚田(千枚田)サミットを先人たちの営々たる営みの痕跡が残るこの熊本県山都町で開催いたしました。
 ここに、各地の棚田に関わる皆様とともに、次のことを確認し、共同宣言といたします。

一、私たちは、新たな棚田の担い手の育成・確保を図るとともに、食糧の生産・多面的な機能や
 文化的な景観の維持・管理を行い、次世代へと継承するための取組みを 継続していきます。
一、私たちは、棚田が米の生産の場であると同時に、多様な生き物を今日まで数多く育んでき
 た環境に優しい地域の資源であることを再確認し、教育や体験学習の場として有効に活用し
 ていきます。
一、私たちは、農商工連携や、都市住民との交流等を図りながら、相互に理解・協力する場を
 創出し、我が国における産業の並立と地域の活性化を目指します。
一、私たちは、棚田の持つ多面的な機能の維持、発揮のため、中山間地域等直接支払制度や
 農地・水・保全管理支払交付金制度、戸別所得補償制度の拡充を求めるとともに、これらを有
 効に活用し、営農の維持、地域内の連携を図りより良い活動に取り組みます。
一、私たちは、棚田領域における一体的な機能を維持し、棚田景観を守るための制度拡充を求
 めるとともに、棚田エリアの転作等について緩和へむけた政策の転換を求めていきます。


平成24年10月20日
第18回全国棚田(千枚田)サミット



最終更新:2015/05/08