第19回全国棚田(千枚田)サミット共同宣言

 先達は、この地に居を構え、生きていくため、自然に従い、時には闘いながら、長い年月をかけて大地を守り、営々と稲作を続けてきた。
 そして今、私たちの棚田は、人々の生き方や歴史をも雄弁に語りかけてくれる。
 現在、日本の各地では、保存会や協力者の努力により、棚田の持つ美しさが日本の原風景として評価され、オーナー制の実施やボランティア活動の受け入れなど、多くの取り組みが活発化している。
 しかし、棚田を有する中山間地域では、農作物価格の低迷や厳しい営農条件によって、耕作放棄地が拡大し、鳥獣害被害が激増するなど、農業を営む者たちの努力だけでは、次代へ継承することが困難になっている。
 また、わが国のTPP交渉への参加は、実質国内総生産を3兆2干億円押し上げるのに対し、逆に農業分野の生産額を3兆円も減少させることになる。
 この状況は、中山間地域だけでなく、各地の農村集落を存続の危機にさらし、日本全体を大きく変貌させる可能性が高い。
 このような状況の下、本サミットは、棚田・段々畑を含めた中山間地域の経済性だけでは語りきれない真の価値を共有し、話し合い、選択する機会を私達に与えた。
 私たちは、全国からこの地にお越し頂いた方々と共に、棚田が何故美しいのかという原点に立ち戻り、日本農業は日本人が自らの判断、選択によって「支え、守り、つなぐ」という意識の高揚に努めたい。
 ここに、日本各地の棚田や段々畑に関わる皆様とともに次のことを確認し、和歌山県有田川町で開催された第19回全国棚田(干枚田)サミットの共同宣言といたします。

一 私たちは、棚田で安全・安心な食糧を生産し、多面的機能と文化的景観を継承します。
一 私たちは、棚田が持つ公益的機能を積極的に発信し、都市と農村との交流や、環境学習などの活動に取り組んでいきます。
一 私たちは、中山間地域等直接支払制度、農地・水保全管理支払交付金制度などを有効に活用し、国土の保全に努めるとともに、「日本型直接支払制度」の法制化を強く求めます。
一 私たちは、日本の貴重な財産である棚田を受け継ぎ、自然と人が関わった棚田の重要性を未来へ伝えていきます。


平成25年11月9日
第19回全国棚田(干枚田)サミット



最終更新:2015/05/08